「たすきがけ」のご紹介

「たすきがけ」活動が始まったのは2015年のこと。当時、精神障害のピア活動の支援に積極的だった3つの法人のキーパーソンが、共通の悩みをもっていました。それは、自分の事業所の利用者をその事業所でピアスタッフとして実習してもらったり雇用したりすると、昨日までメンバーだった人が今日からはスタッフとなり、役割の混乱やバウンダリーの上での課題が生じるというものでした。

3つの法人は、たまたま普段利用者同士の行き来がない程度地理的に離れている一方で、実習や勤務の上では支障のない程度は近い距離にありました(千葉県船橋市、東京都葛飾区、江戸川区)。またビジョンや事業に対する姿勢や方針が近しいことも、一緒にプロジェクトを開始する上では大きな要素でした。さらにトップマネジメント同士が「仲良し」とまではいかなくとも、顔見知りで尊敬しあう中というのも大きかったのです。

こうした背景から、3法人で協力して、相互に実習や雇用するための仕組みづくりをやろうという話がトントン拍子で進みました。それが「たすきがけプロジェクト」です。「たすきがけ」は相互に実習等を行うのが「たすきがけ」のようになっているためにつけられた名称です。また日本では何かを応援したり臨戦態勢に入る時に「たすきがけ」をします。当時、3法人にとってこのプロジェクトはまさに「たすきがけ」をする勢いだったのです(これは今も変わっていませんが、「臨戦態勢」という特別なものではなく、当たり前のようにピア活動を支援する法人になっています)。

昨今、精神障害領域では、ピアスタッフの育成や雇用は年々盛んになっていますが、まだまだ雇用に至るまでのハードルは高く、「ちょっと興味がある」といった人たちが気軽に参加できる活動は多くありません。このホームページは、私たちの活動を広く知ってもらい、こうした活動が日本中にどんどん広がり、ピア活動がもっと普遍化してくれることを願って作成いたしました。